雪合戦 Pear:乾貞治
「「「「「「「「「じゃんけんぽん!!!」」」」」」」」」」
「俺だな・・・・」
「じゃあ、俺のペアは・・・な」
「乾ずりー!!独り勝ちかよ!!」
そう悔しがっているのは英二。
と雪合戦のペアになるためには、じゃんけんで勝つしかなかった。
だが、事もあろうに乾が一人勝ちしてしまったのだった。
「さて、英二達も早くペアを決めろよ?、雪玉を作っておこう」
内心すごく嬉しいのだが、あくまでポーカーフェイスの乾。
「うん!いーっぱい作っておこうね!!乾投げる人ね!私作って渡す人〜!!」
わくわくする心を隠しきれないは、乾の手を握る。
仲良く歩いている二人を見た人物の一言。
「あ〜!!、乾と手繋いでる〜!!いいなぁ・・・乾・・・・俺、大石・・・・」
英二が、陣地を決めている2人を見て羨ましがる。
「エージ?俺じゃ不満か?お前投げろよ、俺作って渡すから」
「大石、と同じ台詞言うなよ・・・・・」
がっくりと肩を落とす英二。
この時点で、大石、菊丸ペアが決定。
「おいっ!そっちは溝だからはまるぞ?もう少しこっちに来ないと」
「え?何?乾・・・・きゃあぁ!!」
乾の忠告も空しく、は溝にはまってしまった。
「仕様が無いな・・・・ほら、つかまれ」
乾がそう言ってに手を差し伸べる。
「あ・・・ありがと乾・・・」
その手を取って腰をあげる。乾の手が、しっかりとを支える。
「どういたしまして」
二人がいい雰囲気に包まれていた丁度その頃。
「手塚?何だってじゃんけんだったの?・・・まぁいいけど。に当てないようにしないとね」
2人の様子を見て、少し不機嫌気味な不二。
「不二・・・・それじゃあ雪合戦じゃなくなるぞ・・・?」
「じゃあ手塚はに当てるの?」
「・・・・・いや」
「じゃあ一緒だよね」
又、この時点で、手塚、不二ペアが決定。
「、いくつ出来た?」
「えーっと・・・・1、・・・5・・・・10・・・・15・・・・え〜っと24個!」
25個目の雪玉を作りながら、は乾が奇妙な行動をしている事に気付く。
「い、乾・・・何してるの・・・・?」
が恐る恐る聞くと。予想通りの答えが帰ってきた。
「野菜汁入り雪玉」
予感的中である。それもそのはず。雪玉が緑なのだから。
「何でそんなの握れてるの・・・?」
普通はドロドロで握れないでしょ?と聞くに対し、乾の答えは・・・・
「秘密」
・・・・・・・・・・・・・気になる。
「え〜〜!!気になる〜!!教えてよ!!」
そう言いながらは乾の後ろから抱きつく。
「・・・なんで俺がお前と組まなきゃなんねーんだよ・・・!」
「うるせーよ、マムシ。俺だって嫌だね」
「てめぇ・・・・・今なんつった・・・・」
「マムシっつったんだよ」
海堂が桃城の胸座を掴む。
「「やんのか?こら」」
一触即発の場面で、桃城が目線を少し横にすると、乾にが抱きついているところだった。
「・・・おい海堂・・・先輩と乾先輩、やけにくっついてねぇか?」
「あぁ?そんなわけ・・・・・・・・・」
そのまま二人は硬直した。
この時点で、桃城、海堂ペアが決定。
「!危ないって!うわっ扱ける・・・!」
どさ。
「いてて・・・ごめん乾、怪我無い?」
が頭を抑えながら起き上がろうとする・・・が。
「い・・・・・乾?」
乾がを抱き留めたまま離さない。
「い・・・ぬい、誰かに見られちゃうよ・・・離して・・・?」
が、顔を赤く染めながら抵抗するが、男である乾の力には叶わない。
「大丈夫、ここなら誰からも見えない」
少しを抱きしめる力を強めて、乾はの耳元でそう囁く。
「・・・!!・・・いぬ・・・い・・・?」
更には顔を赤く染め、雪で服の袖が濡れるのにも気付かず、乾を呼ぶ。
「好きだ」
そう告げる乾の顔はからは見えなくて。ただ、乾の言葉が頭の中でこだまする。
すき・・・・?乾が・・・私を・・・?
「は、俺の事・・どう思っているんだ?」
乾はを抱きしめる腕の力を弱め、壊れ物に触れるように優しく包む。
「・・・・・・・・・・だよ」
「え?」
は消え入るような声でそっと囁く。
それを乾はもう1度繰り返すように促す。
「・・・私・・も・・・乾の事・・・好き・・・」
切れ切れに、乾の肩に顔を埋めたままが話す。
そう、マネージャーになって、乾がレギュラーから外れて・・・一緒に仕事するようになって・・・・
いつの間にか、は乾の事を目で追うようになっていた。
乾が好きだって気付いたときには、もう手遅れなほど好きだった。
「・・・そういえば・・・・」
「?」
いきなり乾が口を開いて、を抱いたまま上体を起こす。
「背中が冷たいな・・・・」
それもそのはず。乾はが濡れないように自分の背に雪を触れさせていたのだから。
「乾!そのままじゃ風邪惹いちゃうよ!雪合戦はまた今度にして、着替えよ?私ここで待ってるから」
乾の背中には腕を回し、冷えた乾を暖めるようにして抱きしめる。
「もついて来てよ、部室の前まででいいから」
そう言って乾はの腕を掴む。
「う、うん」
こうして、と乾は、人知れず雪合戦会場(?)から抜け出したかのように見えたが・・・一部始終を見ていた者がいた。
「ふぅ〜ん・・・乾先輩もなかなかやるね・・・・」
1年越前リョーマ。である。
越前は、にやっと笑うと、近くに置いておいたラケットキャリーの中から一本ラケットを取り出し・・・・
「はい、河村先輩」
自然な動きで、河村にラケットを右手に。雪玉を左手に持たせた。
「え?・・・・・・おっしゃあ!!燃えるぜ!バーニング!!」
越前の渡したラケットのおかげで豹変した河村は、左手に持っていた雪玉を思いっきり投げた。
「いて!!何々?!もう始まってるの?!よ〜し!!大石!行くぞぉ〜!!」
顔面に当たった雪玉の残骸を手で拭い、菊丸が大石から渡された雪玉を投げる。
「オラオラ〜!!カモォォ〜ン!!!」
「いて!」
「うわ!!」
「・・・・・!!」
「あ〜あ、始まったね・・・」
「今投げたの誰だ・・・!」
「やったな?!見てろよ〜!!」
越前以外、乾とが居なくなった事に気付かないまま、雪合戦が開始された。
その頃乾とは。
「お待たせ」
部室から、乾が着替えを済ませ出てくる。
「あ、終わった?もう寒くない?」
入り口の横に寄りかかって待っていたは、にっこりと微笑んで乾を迎える。
「あぁ、が暖めてくれたからね」
をきゅっと抱きしめて、乾が言う。
「!!////////・・・乾っ!」
いきなり抱きつかれ、は赤面する。
「ごめんごめん・・・」
「な、何?」
そうが顔を上げた瞬間、の唇と、乾のそれが重なった。
「・・・・ん・・・・」
が、息苦しさに身じろぐと、乾の唇が離れた。
「好きだ」
そう言って乾はの頬に口付ける。
「ん・・・私も大好き・・・v」
と乾の甘い時間は、今日から始まる・・・・・
翌日。
「あれ?手塚と不二と越前以外、レギュラー陣皆欠席なの?どーしたの一体・・・・」
が、出席表の、海堂、桃城、菊丸、大石、河村のマスに×印をつける。
「風邪だそうだ」
手塚が、呆れたように言った。
「風邪って・・・皆が?仲良いんだねぇ〜!」
そういう事ではないんだが・・・・手塚はそう思ったが口には出さなかった。
なぜなら、が居ない事に、雪合戦が始まる前から気付いていた越前と、始まってすぐ気付いた手塚と不二以外の全員が、
雪合戦を『楽しむ』ではなくて、『失恋の腹いせ』に変わって暴れまくっていたという事は、
手塚にとって、当然には口が裂けても言えなかった。
END
*あとがき*
はい・・・ニセ乾を手始めにお届けいたしますです・・・・(汗)
乾は難しいです・・。よぉぉ〜〜〜っく解りました。
これ、マシュマロ食べながら書いてました。(関係全くなし)
マシュマロのように甘くなって欲しかったのですが・・・・
私の考えの方が甘かったみたいです。
さて、この初☆選択もの。皆さんに楽しんでいただけると幸いですv
お付き合い頂き、ありがとうございましたv
*羽翠 志歩*