雪合戦 Pear 河村隆
「「「「「「「「「じゃんけんぽん!!!」」」」」」」」」」
「え・・・俺?」
そう言ったのは河村隆。
少し俯きながらも、の元へ行く。
「ペア・・・いいかな・・?」
「うん!よろしくね!河村!!」
仲良く二人で雪の積もったグラウンドへ向かう。
「あのさあのさ、俺良い案思いついたんだけど。」
そう言って菊丸が皆を呼び集める。
「こうするのはどう?」
ひそひそと話をすすめる残った者たち。
『それはいい。』
そこにいた全員の意見が一致した。
・・・・・一人、無言な者もいたが。
「ねぇ、これぐらいで良いかな?」
他のメンバーがペアを決めるのに手間取っている間に大量に雪玉を作った河村チーム。
「うん、いいんじゃないかな。」
自分に微笑みかけるに、少し頬を赤くする河村。
「そうだね!よぉーし!皆ーっ始めよう!!」
のその言葉を合図に、一斉に雪玉が飛び交った。
「あっ!!」
河村がの方に振り向く。
「何?・・・・きゃぁ!・・・冷たぁ〜・・・えいっ!」
顔面に残る雪を手で払って雪玉を投げる。
「えへへっ!楽しいね!河村!」
雪にまみれながら今の時を楽しむ二人。
に、河村が笑う。
「うん、そうだね。」
と微笑みあう河村の背後に、見慣れた影があった。
「ほい、タカさん」
その影―― 大石秀一郎が、河村にラケットを渡す。
「え?大石・・・・
おっしゃあ!!燃えるぜバーニングーーーー!!!!」
「大石何してんの?!」
豹変した河村を見て、後ろで普段どおりの顔をした大石を見る。
「この方が盛り上がるんじゃない?」
大石の後ろから声がしたかと思うと、現れたのはにっこりと笑う不二。
「盛り上がるって・・・・。」
が恐る恐るいつの間にか視界から消えていた河村を探す。
「オラオラー!!カモォォォォン!!!」
の視界に入ったのは・・・・・。
そこら辺一体の雪が液体を通り越して気体化しそうな勢いで燃えているパートナーの姿。
「河村ってば!もー!!」
そう言いながらが暴走する河村を止めようと近寄る。
「お〜っと!ちゃんはそこに居てよ〜?!」
・・・・ダメだ・・・止まらない・・・。
がため息を吐くと、足元が冷たい。
「・・・・?」
足元を見ると、そこにあったのは足ではなく雪。
いや、正確には雪に埋まったの足。
「バァァァニングゥゥゥーーーーーー!!!」
飛んでくる雪玉を、残らずラケットで砕く河村。その残骸はもちろんへ。
「かっ河村ストップ・・・埋まる・・・。」
顔にかかる雪の破片を払い落とそうとするが、キリがない。
気がつけば、全身ずぶ濡れ。
「っ・・・くしゅんっっ!!」
のくしゃみに、河村がラケットを離して振り向く。
「?!」
「やっと止まったね河村・・・ご苦労様です・・・。」
足元に積もった雪から足を必死で抜いて、が河村に微笑む。
「ご・・・ごめん・・。」
「いいよ別に!・・・っくしゅん!」
くしゃみをするに、暖かい物がかけられる。
「え・・・?河村・・・?」
「良いから着てて。風邪ひいちゃうよ・・・・ごめん。」
ジャージをにかけて、この寒い中、半袖のウエアーだけになる河村。
「良いんだよ、気にしなくて!」
「。そのままでは風邪をひく。もう遅いし、そろそろ帰ろう。」
手塚がそう言うと、が静かに頷く。
「じゃあ、俺が送ってくよ。」
河村がの表情を伺う。
「うん、ありがとう!じゃあ、お言葉に甘えて・・・・。皆また明日ね!!」
バイバイと手を振って去る二人を見送る残ったメンバー。
「・・・・英二?」
「ごめんにゃ不二・・・・。」
「可愛く言ってもダメ。」
見事に菊丸たちの作戦は失敗だった。
暴走する河村に、が愛想尽かすと思ったのに。
「考えてみれば、先輩がそんな事で人を嫌う訳無いっすよ。」
越前が帽子を被り直してそう言うと、辺りの時が止まった気がした。
「ごめん・・・・。」
「いいってば〜!私も早くどいてればよかったんだしv」
にこりと笑うに、河村も微笑む。
「あ・・あのさ・・・。」
「ん?何?」
立ち止まる河村を、不思議そうに見上げる。
「俺さ・・・・のこと好きだよ。」
河村がをそっと覗くと、ポロポロと雫を零す、澄んだ瞳。
「あっ・・・?」
「う・・れし・・・。」
ぎゅっとが河村の腕につかまる。
「・・・。」
「嬉しい河村・・・大好き!」
涙を零しながらも微笑むは、すごく綺麗だ。
河村は、を優しく抱き締めた。
次の日。
「これありがとね!隆!」
「あ、うん。良かったのに洗濯なんか・・・。」
「いいんだって!それにね、それは私が洗ったの!」
「そうなの?!」
「うん・・・・だって・・・隆のだもんv」
明るく微笑み合う二人。
それを見て、敗北した事を知るメンバー達。
「俺って余計なこと言ったのかなぁ・・・・。」
そして、皆より一層悩むネコが一人。
END
+後書き+
行方不明になっていた河村先輩を必死に思い出して書いた一品。
不完全燃焼ですわ〜・・・・・(遠い目)
雪の季節が終わるまでに全ての項目完結せねば・・・・・(汗)
皆さん、頑張るので見捨てないで下さい。(本気)
+羽翠 志歩+